LPモードとSPモード
録画時間が短い、その割に高価、というユーザの要望によって、DVテープにはLPモードが搭載されたDVカメラが増えてきました。SPモードにくらべ、LPモードでは1.5倍の録画が可能になっています。
参考情報 [基本編] DVカメラの知識 - DVテープのLPモード、SPモード
LPモードの画質はSPモードと同じ
例えば、DVDレコーダで、1枚のDVD-Rメディアに入る収録時間を延ばそうとすると、圧縮率を上げる(低ビットレートにする)ので、そこで画質が落ちます。ところが、DVでのLPモードでは事情が違っています。基本的には、SPもLPも画質は同じ(データ量はおなじ)なのです。
テープの走行速度を2/3に落とし、テープ上への書き込み幅(トラック幅)も2/3に狭めることで、同じ長さのテープに1.5倍のデータを書き込み、収録時間を長くする、という仕組みです。
LPモードでのデメリット
ひとつには、エラーの発生確率が若干増える恐れがあること。トラック幅が2/3になるので、データの冗長度が落ち、エラー耐性が弱くなるからです。
ふたつめには、自己録再しか保証されないこと。つまり、録画時に使用した同一DVカメラでの再生しか保証されません。
DTVにおいては、あるDVカメラ製品では、LPモードだと取り込みがうまく行かない、などの症状が出ることもあるようです。また、個人的には、(お子さんの成長を記録するような「重要な撮影」の場合にテープをケチる(結果としてエラーのリスクが大きくなる)のは、馬鹿げているようにも思います。
これらの点を考慮してどちらのモードを使用するか考えて下さい。MacDTV.cmでは、けちらず、SPモード撮影をお勧めします。
DVのサウンドは...
DVのサウンドは、32kHz-12bits-2チャンネルステレオか、48kHz-16bits-1チャンネルステレオかのいずれかです。圧縮されていません。
DTVを行うことを前提としたDV撮影時の音声モードについては、48kHz-16bits-1チャンネルステレオでの収録をお勧めします。特別な意図がない限り、32kHz-12bits-2チャンネルステレオで収録する必然性はありませんし。
参考情報 [基本編] DVカメラの知識 - DVのサウンド
DV端子
ごく初期型ののごく一部の製品を除き、DVカメラには、iLINK端子(DV端子ともいう)が搭載されています。
DV端子は、別記事で述べるとおり、IEEE1394(Macでいう、FireWire)のサブセットで、4ピンの端子です。このDV端子間をDVケーブルで接続すると、
● デジタルで劣化なしダビングが可能です
● DV端子から、DV機器の制御も可能です
DV端子経由で、映像、音声情報だけでなく、制御情報も双方向通信しているからです。
こうしてみると、もともとDVカメラは、パソコンとの親和性も高いことがおわかりになりますね。いうまでもなく、Macと接続する際は、このDV端子を使用します。
DVストリーム
DV端子から流れてくる信号を、DVストリームといいます。DVストリーム形式のフォーマットでは、ビデオデータ・オーディオデータのほか、撮影日時データ、TimeCode(タイムコード)などの諸情報も含まれています。
DV Codecで圧縮された、SD720×480/60iビデオ(NTSC) |
16bit-48kHz-1chステレオ-非圧縮、
または、
12bit-32kHz-2chステレオ-非圧縮、 |
DVストリーム |
MacやPCでのDV取り込みの際には、DV端子から「流れてくる信号」(=ストリーム)を、逐次、HDDに蓄積してゆきます。
DV取り込み工程では、画質劣化はゼロ
iMovieの場合、「DV端子から流れてくる信号」をその順番のままHDDに記録してゆきます。すなわち、Macに取り込まれたファイルと、DVテープ上のデータの並び方は同じDVストリームフォーマットです。
DV取り込みの際には、このように、DVテープ上の信号をそのままMacのHDDに持ってきているだけなので、なんのフォーマット変換処理/Codec変換処理がなされません。なので、このプロセスでの「画質劣化」は起こりません。 「DV取り込みの際に、画質が劣化する」というのは、全くの誤解です。
参考情報 [基本編] DVカメラの知識 - DVストリーム
撮影日時データやTimeCode
DVストリームには、ビデオ・オーディオデータのほかに、撮影日時データやタイムコードなどの情報も含まれています。
参考情報 [基本編] DV/HDVテープの撮影日時データやTimeCode
撮影日時データ
iMovieのイベントライブラリ機能は、この撮影日時をキーとして素材を管理するので、ビデオカメラの時刻は正確に合わせておきましょう。デジカメ写真とiPhotoの関係と同じですね。
海外旅行の際には、時差補正をしておくことをお勧めします。日本時間のままの設定だと、現地時間で同一日(朝から夜まで)に撮影したにもかかわらず、iMovie上でのイベント管理の際、(日本時間に従って処理するので)二日間にわたって分かれてしまうこともありますので。
タイムコード
タイムコードは、テープ冒頭を00:00:00;00とし、そこからの経過時間を記録するものです。「テープ上の絶対位置」を判断する重要な情報です。
iMovieには、TimeCodeを活用した機能はありませんので、TimeCodeを特に意識する必要はないのですが、それでも、(例えば、iMovieプロジェクトをFinal
Cut Express、Final Cut Proに持ってゆく、といった場合に不都合をさけるために)、ひとつだけ気をつけてください。それは、撮影時に無録画部を作らない、ということです。
一旦巻き戻したあと、撮影を再開する際には、無録画部を作らないように、記録画部にオーバーラップするようにします(こうなると、前回の撮影時には、最後のシーンは上書きされてもいいように、長めに撮影しておく必要があります)。あるいは、DVカメラに「エンドサーチ」機能がある場合には、これを活用しましょう。
「タイムコード先打ち」も効果的です。
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